大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(う)1889号 判決

被告人 大沢市男

〔抄 録〕

よつて按ずるに自動車運転者が自転車で通行している者の傍を追い越そうとする場合には、警音器を吹鳴して注意を喚起する必要のあることは勿論であるが、その者にあまり接近して進行するときは、たとえこちらから自動車を衝突させないまでも、自転車に乗つている者は、自動車の速力による風圧、震動や、過度の精神的緊張などによつて平衡を失い倒れかかつて接触することもあるのであるから、自動車運転者たるものは、かかる事態が発生しないように自転車との間隔に十分の余裕を保持して進行すべく、もし前方から来る車とすれ違うなどの関係上、その間隔を保つ余裕がなければ、一時自動車の運転を中止して対向車をやり過ごすなど、事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務があることは道路交通取締法第八条の趣旨からいつても当然なことである。

(三宅 河原 下関)

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